ある恋愛日記カミングアウト【実話小説ラヂヲ】

【大人向きリアル恋愛日記小説】運命の恋・失恋・行きずりの恋・遊びのSEX・結婚・玉の輿・出会い系・モラハラ・離婚・妊娠・殺人・再婚・浮気・不倫・虐待・絶縁・同棲・二股・三角関係・遠距離恋愛etc…私の身に起った実話小説です。最低な話も多々ありますが何かのお役に立てれば幸いです。

第6話『波乱への新しい出逢い』

朗読でお聞きの方はこちらから。

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私と筒井君は二人とも不安定な心で

ボロボロになりながらも、

お互いを誰よりも愛しあっていました。

 

 

一生、お互いが無しでは考えられない、

その気持ちは

 

変わらず。

 

知り合って四年、恋人になって三年が経ち、

19歳の春を迎えていました

 

 

 

 

 

私はユースケ君への思いを

少しずつ忘れるようにと日々を過ごしながら、

彼の妹さんと同じ会社で

社会人として働き始めていた。

 

 

大学へ行く資金づくりの為だけに

何でもよくて入った会社だったのですが、

入ってみると、その会社や、

その会社の大先輩方を目の当たりにするうち

ものすごく仕事への意欲が湧いてきた。

 

私はもともと中途半端が嫌いで負けず嫌い、

何をするにも

<どうせやるならトップをめざせ>

とかって

体育会系のポリシーがあったので、

とことん頑張ってみたくなった。

 

この仕事を究めてみたいと

思うようにまでなっていた。

社内で教育主任なんかもしておられた大先生に

すごく憧れた。

それはそれは物凄くカッコ良かった。

私の中に新たな夢がうまれた。

私もこの業界究めて、あんなふうになりたい!

 

私はそんな熱血新入社員生活を送っていた。

 

 

 

 

一浪後の筒井君は

この春また更にとんでもなく難関大学を受験し、

今回ももう一年浪人する事になった。

やはりとことん妥協せず夢を追いかける。

そういう人だった。

 

 

浪人生と、社会人、

二人が住む世界は

どんどん遠く離れたものになっていった。

 

 

 

 

 

 

 

桜が散り、G.W

五月のさわやかな風が吹く頃、

同期入社の女友達 朝香と

久しぶりに会うことになった。

 

別々の所に配属されていた

同期入社の女友達 朝香と数ヵ月ぶりに

食事にいって、飲みに行って、

つもる話を語り合った。

 

仕事のこと、

恋のこと

その夜は一人暮らしの私の家に彼女を泊めて、

朝までとことん語り合う予定で、

まずは夜の街で二人で盛り上がっていた。

 

 

 

 

「じゃ~、もう一軒、行こう!」

 

 

二人ともイイ調子で街を闊歩していた。

 

時代は80年代後半、

いわゆるイケイケ姉ちゃんが二人で夜の街。

 

途中何度もナンパ男たちからお声が掛かった。

けれど、私たちは無視して

笑いながら歩き続けてた。

 

 

何組ほどかわしただろうか、

また二人組の男が、

 

 

「すいません、

良かったら僕らと呑みに行きませんか?

一杯だけでも

 

と、声を掛けてきた。

 

 

私は当然また無視して歩いて

行こうとしたら、

なんと、

何故か同期の朝香が

立ち止まって男と話している!

 

酔っ払いの気紛れだか何だか覚えてないけど、

なぜか彼等と一軒飲みに行くことになった。

 

 

 

 

19歳の私と20歳の朝香、

(大人ぶって、その場では

21歳と22歳」という事にした。笑)

 

男性二人組、

23歳と24歳だというスーツ姿の彼等と

四人でカフェバーに行って、

何だかたわいのない会話をして大笑いして、

数時間して店を出た。

 

 

(カフェバーって言葉は

すっかり今では死語ですよね。

80年代に流行ったその名の通り

カフェ利用もバー利用も出来る

若い大人たちのお洒落スポットでした。)

 

 

 

 

 

24歳の彼は朝香をかなり気に入った様子で、

「もう一軒行こうよ」とか

「じゃ電話番号教えて」とか、

店を出た道ばたで

随分ねばって口説いてた。

 

 

その様子を少し離れて

私ともう一人の彼がボーっと眺めていた。

対照的な雰囲気の23歳の彼は

少しもガッつく感じはない。

 

 

「今日は女二人、

水入らずで語り明かす日だったんでしょ?

いきなり付き合わせちゃって悪かったね。

ほんとゴメン。

 

あの二人がどっか行っちゃうなら、

僕、君を送ろうか?

送られるほうがむしろ恐いって思うなら

無理には送らないけど。」

 

 

 

結局、朝香も誘いを断わったので、

私たちは名前も、歳も、仕事も、電話番号も、

何も言わずに彼等とはその場で別れた。

 

 

 

 

 

《こういう時、たいてい19なのに22とかって

嘘ついて大人ぶってたあの頃。》

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな事があった数日後。

いつもどおりに仕事をしていたときのこと。

 

 

 

 

私は当時デパートの中で

仕事をしている事が多かったのですが、

ドタバタと忙しく走り回っていた夕方頃、

売り場の通路で

勢いよく人にぶつかってしまった。

 

 

「す、すみませんっ!大丈夫ですか?!」

 

ぶつかった相手の顔を見上げると・・・

 

なんと

それは先日の23歳の彼だったのです!

 

 

二人とも目を真ん丸にして、

パチクリ

開いた口がふさがらないって感じ。

 

「あ!

 

「あ!

 

 

「ど、どーも

 

 

 

驚き過ぎて、どう反応していいかわからない。

そこで彼がこう言ったのです。

 

 

「びっくりしたあ!

まさかホントに逢えるとは思わなかったんだけど、

この前話してて何となく

デパート関係の人なんじゃないかと思ったから、

もしかしたら逢えるかもと思って

アチコチ捜してたんだ。

やっぱりそうだったんだね!」

 

 

 

私を捜してた?

 

 

 

《ドラマでよくあるこんなシーン。

ほんとにあるなんてビックリ過ぎる・・・》

 

 

 

 

 

驚いた。

そして彼はこう続けた。

 

 

「あのさ、

迷惑でなければ逢えないかな?

食事か、お茶だけでも良いよ

仕事何時まで?

近くのSWING ってカフェバーで待ってるから

 

 

 

 

 

 

 

あまりの運命的な偶然(?)に、

「一杯だけなら」と

その日の終業後、

彼が持っていると言った

SWING というカフェバーへ。

 

 

高校卒業してやっと一年、

19歳の私は大人なカフェバーなんて

行きつけてないし、

SWING という店も本当は知らなかった。

 

職場の先輩たちに

それとなく場所を教えてもらって、

背伸びして大人ぶって、

来た事があるフリをした。

 

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渋いジャズの流れるお洒落で大人な空間に、

23歳の彼のスーツ姿が馴染んでた。

 

 

 

でも本当に一杯だけ飲んで

遅くなる前に帰った。

 

 

 

 

 

《飲めないくせにカッコ付けるために

一人でカフェバー、これ以降良く行ったな。》

 

 

 

 

 

 

彼は23歳の葛山君。

某大手アパレルメーカーの営業職だった。

それでデパートにも出入りしていたらしい。

 

私は名前以外は何も教えなかった。

警戒心がかなりあった。

ナンパで知り合った相手に対して。

 

 

 

 

 

彼はまあ、一般的にみて二枚目で、

身長も184cm、いわゆるカッコいいタイプ、

それなのに穏やかで人の良さそうな

控えめな感じのする人だった。

 

 

「また逢いたいな。

今度はご飯食べに行こうよ。誘ってもいい?」

 

 

そんな風にさり気なく誘ってくれた。

 

 

 

 

今思えば、どうも私は

<控えめ>で<さり気ない>感じ

に弱いようだ。

心地よく感じてしまうようで、

断われなくなってしまう。

というか、

惹き付けられてしまいがちのようだ。

 

 

 

 

 

 

 

私は何故か、とてつもなくドキドキしていた。

何故か、とてつもなく浮かれていた。

 

19歳の女の子には

スーツ姿のサラリーマンの彼が

とっても大人に見えた。

まだ学生しか身の回りにいなかった私にとって

何もかもが、大人で洗練されて見えたのだ。

 

 

彼そのものもそうだし、

待ち合わせ場所から、

行くお店、

何もかも。

身の回りの同年代の男の子は、

カフェバーSWING で待ち合わせたりしないもの。

 

 

 

大人に憧れ、

一番背伸びをしたい年頃の19歳の女には、

それは、それは、

嬉しく楽しくドキドキわくわくなのでした。

 

彼との時にすっかり酔って我を忘れてしまった、

簡単に浮かれてしまう

そんなオバカな年頃だったのです。

 

 

 

葛山君との出逢いが

私の運命を大きく変えてしまうことなど、

まったく思いもしなかった。

浮ついていて深く考える事も出来なかった。

今思えば

このとき浮かれて我を忘れたりしなければ、

あれも、これも、すべてが変わったのだろう。

 

 

 

 

 

 

葛山君に誘われてまた食事に行って、

話し込むうちに警戒心もとけ、

電話番号を教えたら、

また彼はすぐに掛けてきてさり気なく誘ってくる。

 

筒井君という彼氏がいる身だったので、

あんまり本気になられると困るな

とは思ったけれど、

彼は大人で強引さとかガッつく感じが

少しも無かったので、つい、

まあとりあえず少しくらい

フレンドリーに付き合っててもいいかな?

なんて、

軽い気持ちだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

とにかく

当時流行っていたトレンディードラマみたいな

お洒落で大人な雰囲気を彼とは味わえた。

 

食事はこう、

飲むのはこんな店、

デートはこんなふうに

 

ガキだった私には本当に気持ち良く、

ウキウキすることばかりだった。

 

 

 

 

 

別にキザな訳でもなく、

さり気ない雰囲気にトキメキが止まらなかった。

こんな風な付き合い方ずっと出来たら素敵だな、

この人と、

もっとちゃんと付き合ってみたいな、

ずっとこうしていられたら良いのに

という思いがわいていた。

 

 

この人とは単なる遊び友達では物足りない、

 

そう思い始めて、悩んだ。

 

悩んだというよりこの時点でもうすでに、

葛山君に逢う度に

彼にどんどんハマっていく自分が

よくよくわかっていた。

どんどん心が奪われていくのが分かった。

 

 

 

 

今思えば、恋の始まりはいつだって、

誰とだって、超楽しいものなんだし、

その時期が過ぎて落ち着いてから

良く考えるべきだった。

 

その当時の私は目の前の楽しい新鮮な日々に

すっかり翻弄されてしまっていた。

まさにこれこそ『恋は盲目』そのものだった。

 

 

 

 

 

 

《人だって物だって新しいものにハシャいじゃう、

その愚かさに気付かなきゃ。》

 

 

 

 

 

双方に内緒の二股を以前に経験していた私は、

その苦しさにもう心底懲りていました。

 

「どちらかを切らなければ。」

 

私の心はもうそこまできていた。

ひたすら悩んでいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

六月になり、

私は葛山君との浮かれたデートを繰り返していた。

ある日、葛山君とのドライブデートのとき、

ついに打ち明けた。

 

長く付き合っている彼氏がいる事。

 

でも、

あまりうまくはいってなくて悩んでる。

と付け足して

 

 

 

葛山君はそれを聞いてショックを受けていた。

 

大人でスマートな普段の彼からは想像もつかない、

びっくりするほど落ち込んだ様子をみせた葛山君。

 

それは私にはかなり予想外の姿だった。

私のことを本気で好きになっていたのだと彼は言う。

 

 

その葛山君の姿を見た時、

私の心は決まってしまった。

 

もう口は開いていた。

 

「その彼とはもう別れると思う

 

 

 

 

《リック・アストリーを聴くと思い出す

80年代後半のドライブデート》

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