ある恋愛日記カミングアウト【実話小説ラヂヲ】

【大人向きリアル恋愛日記小説】運命の恋・失恋・行きずりの恋・遊びのSEX・結婚・玉の輿・出会い系・モラハラ・離婚・妊娠・殺人・再婚・浮気・不倫・虐待・絶縁・同棲・二股・三角関係・遠距離恋愛etc…私の身に起った実話小説です。最低な話も多々ありますが何かのお役に立てれば幸いです。

第5話『過ちの後の秘密の恋』

朗読でお聞きの方はこちらから。

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取り返しのつかない私の過ち。

 

 

その大きな事件を私たち二人は乗り越えた、

かのように見えました。

お互いへの愛は変わらず、

というよりもむしろ、

この時のショックの大きさによって、

いかにお互いを愛しているのかを

改めて思い知ったという感じだった。

私も、筒井君も。

 

 

でも、

この事件が二人に与えた影響は

 

やはり根深かったのでした。

 

 

 

 

筒井君は高校時代から

元々かなりモテる人でした。

”この女は”と心に決めた女には

とことん真っ直ぐな愛を向ける人でしたが、

基本的には、

 

 

「男は女の手のひらで遊ぶもの、

あちこち浮気はする生き物だけれど

それも特別な愛する女がいればこそ。

戻る場所は愛する女ただ一人。

浮気は浮気、愛する女は愛する女、

まったく別のもの。」

 

なんて考えの持ち主でした。

 

 

そうは言ってもそれまではただ言ってるだけで、

実際には何も行動はしてなかったのですが、

私の事件の後から変わり始めました。

 

 

 

本命のパートナーがいる上で、

お互いの了承のもと他の人とも関係を持ち

それをオープンに本命パートナーにも話し、

隠し事のない複数交際をする、

 

いわゆる『オープンリレーションシップ』

 

物わかりの良い大人の女ぶっていた10代の私は、

彼のその考え方に賛同し納得し、

半オープンリレーションシップが始まった。

 

(私は他の人と関係を持とうとは思わなかったので

 基本的に筒井くん側だけの自由恋愛)

 

 

 

何より彼にとことん特別に愛されていることに、

どこまでも自信があったので、

 

 

「浮気なら別にしていいよ。

私が別格の女であることが変わりないなら。

但し、私の手の平で遊んでいる証拠として、

絶対に隠し事をしないこと。

浮気はすべて私に報告すること。

知っている事ならすべて許せるから。」

 

という条件をだし、

半オープンリレーションシップ状態を許した。

 

 

浮気なんてコソコソやるから興奮し、

盛り上がる・・・というのもあるだろうし、

普通は報告なんてしたくないだろうに、

これはオープンリレーションシップ契約。

筒井君は私との約束を守り、

ちゃんと何でも話してくれた。

だから何を聞いても安心していられた。

 

理解不能と言われればそうかも知れないけれど。

 

 

 

《どんな女と、どんな事をして、

どんな気分だったのか、

彼が逐一教えてくれる事が私の優越感だった。》

 

 

 

 

 

 

 

 

この十年ほど後に聞いた話しだけど、

筒井君は私の過ちを知ったあの日から、

ノイローゼ気味だったそうだ。

 

絶対的に信じきっていた私の

過ちを聞かされた事で、

すべての人間を信じられなくなり

完全な人間不信に陥って、

「女って一体なんなんだ?」

と、私以外の女のことは

人間だとは思えなくなっていたそうだ。

ケダモノのようにしか思えなくなっていた、

私のあの過ちせいで、

彼の心にはそんな時期が長年続いたのだそうだ。

 

 

 

《私自身も、”自分”不信だった・・・

私って一体なんなんだ?》

 

 

 

 

 

そんな彼の心の不安定。

そしてまた彼の浮気の数々に

大人ぶって平静を装いながらも

心の奥底では無傷でいられなかった私も

やはり不安定。

 

その上、

私は酷い事をしてしまったのだという

強烈な負い目に苛まれるのは止まず…

それらがギスギスと音を立ててきしみ合い、

いつしか私たちはお互いを愛すれば愛するほど、

哀しいくらいに衝突するようになっていた。

逢う度になぜか些細な事から喧嘩してしまう。

 

逢う度に。

 

 

大好きなのに、

こんなに愛してるのに、

なんでこうなっちゃうんだろう。

 

 

 

 

激しく苛立ち、涙する日が増えていった。

私がそんな風に鬱々ギスギスだから

尚更彼は気楽な遊びにはしる…

そんな負のスパイラル状態だった。

 

もうあまりに全てグチャグチャで、

 

本当に辛かった。

 

 

 

《好きなのに、逢う度に喧嘩になる。

これにつける薬ってあるのでしょうか?》

 

 

 

 

 

 

 

バイト先ではその頃、

私が厨房係を任されるようになっていて、

事件の当事者であった窪塚君は

他支店に移動となっていた。

窪塚君と顔を合わせなくなった事は

せめてもの救いだった。

 

 

夏が終わる頃、

私とペアで朝のシフトに勤務する

新人バイトが入ってきた。

私の二つ年上の男の子で、

ユースケ君という大学生。

毎朝ペアで仕事をするうち、

ユースケ君が私に気のある素振りを

見せるようになっていた。

 

 

筒井君との逢う度の酷い喧嘩、

そんなグシャグシャ状態だったことが

影響したのかしなかったのか、

私もユースケ君に興味をもった。

それもかなり。

 

 

 

筒井君とはオープンリレーションシップ状態なのだし…

 

私の方からユースケ君を誘った。

観たい映画があったから。

今や筒井君とは喧嘩ばかりで

映画を観に行く状況でも無かったので。

 

相手から気のある素振りを見せられていたとはいえ、

私のほうから筒井君以外の他の男の人を

デートに誘ってしまった…

その時点で、もうかなりヤケクソに近い状態だった。

 

 

 

 

バイトを上がった後、映画を観た。

その映画は『風と共に去りぬ』。

四時間もの長い映画だったので、

上映が終わるともうかなり夜遅い時間になってた。

少しも強引さのない優しいユースケ君は、

 

 

「遅いし、帰ろうか?」

 

と聞いてきてくれたけれど、

 

 

「せっかくだし、まあ食事くらい行こうよ!」

 

と、また私が誘った。

 

 

 

居酒屋くらいしか開いてない時間。

飲みながら食事していろいろ話した。

 

 

 

最初からヤケクソだった私は

どんどん飲んで酔っぱらった。

 

 

かなり酔っていた。

なので記憶は断片的にしかないし

正確かどうか自信はないけれど、

 

「送っていくから帰ろう。」

と言うユースケ君に、

 

「だめ!まだ帰らない!

ちょっと休めば歩けるからもう一軒行くの!」

と言いながら道端にうずくまり…

 

 

 

そんなやりとりを長々と

一体どのくらいしてただろう。

一時間?いや多分もっと。

数時間そんなグダグダに付合わせてたかも…

 

 

 

 

 

 

よく覚えてないけれど状況からし

恐らく私が誘ったんだろう。

私たちはシティホテルの一室にいた。

 

優しいユースケ君は

酔った勢いの私のワガママに根負けしたのか

なんだか分からなかったけれど、

もうこうなれば18歳の女と20歳の男、

なるようにしかならない。

私はユースケ君と寝た。

 

 

 

 

 

翌日から私は何事も無かったような顔をして

ユースケ君と仕事をした。

遊び慣れた大人の女を必死に演じた。

 

ユースケ君に、

 

「私、超酔っ払ってたから…、ごめんね!

一度寝たからって、特別な関係だなんて

思わなくっていいからね。忘れてね!」

 

と、冷た過ぎるくらいにクールに接した。

 

そう、

ユースケ君に対して気がある自分を

抑えるためでもあった。

 

 

 

その私の冷たい態度が返って

彼の心に火をつけてしまったのか、

そのうち、

ユースケ君の方からさり気ないアプローチがあって、

一緒に帰ったり、お茶に行ったりと、

静かにさり気なく二人の関係が始まった。

 

 

オープンリレーションシップ中の筒井君に

報告するべきだったのだろうけど、

あの私の過ちを報告した時の

石になった筒井君の姿、

そして私たちの大きな傷、

それを思うと言い出せなかった。

 

バイト先では恋愛禁止なので秘密、

筒君にも報告できないまま、

筒井君という彼がいることもユースケ君には言えず、

という秘密だらけの恋だった。

それが心を熱くさせたのかもしれない。

 

10代のガキだったとは言え、

バカな女だ。

 

 

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筒井君とは付き合い始めて二年を過ぎ、

お互い愛し逢ってはいるものの、

オープンリレーションシップの名の下に

彼は他の女性と遊び放題。

逢えば相変わらずもめごとばかりでグシャグシャ。

 

でも逢いたい。

 

マンネリという魔物も手伝って、

最悪の状態だった。

本当に逢う度に喧嘩が絶えない…

 

 

 

だから、

私にとってユースケ君との淡い恋はとても新鮮で、

毎日ドキドキしながら、

筒井君との間に無くなっていた

<ときめき>と<笑顔>を

ユースケ君とで味わっていた。

 

 

 

 

ユースケ君がただ単に目新らしいから

というだけでは

そんなに<ときめき>が続くハズもなく、

私は知らず知らずにユースケ君という人を

かなり愛してしまっていたのだった。

 

彼は少しシャイでナイーブだけれど、

とても男らしい包容力がある人だった。

年上らしく私をいつも見守り、

助け、包んでくれた。

彼自身、人生に夢をもっていて輝いていたし、

ロマンチストでもあった。

 

 

とても苦しいほどに肩肘を張って

必死で背伸びして生きていた私にいつも優しく

 

「もう…、しょうがない奴だなあ。」

 

と子供のように頭を撫でて、

力んだ肩をほぐしてくれる。

そんな精神的な癒しを

私に注いでくれた人だった。

2歳しか歳が違わないのに

その嫌味のない自然な暖かさと包容力に

私はどっぷりとひたっていた。

 

仕事が終わると周りに気付かれないように

別々に店を出て、待ち合わせてデートした。

そして

一緒に私の家に帰り、彼は私を抱いた。

とても優しいSEXをする人だった。

 

 

 

 

筒井君と私はその頃、

逢う度に喧嘩ばかりになってしまう

その状態の打開策として、

逢うのを10日に一回だけにすることにした。

 

それ以外は一切逢わない約束をした。

そうして新鮮さを取り戻そうという策だった。

 

その後、

月に三回の筒井君の日以外は、

私はずっとユースケ君と一緒に過ごすようになった。

きっと筒井君にもそういう女性がいたと思うけど

逢う頻度が減って彼の女性の話も

あえて聞き取りをしなくなっていた。

 

私がユースケ君との事を報告出来ずにいたから、

筒井君の他の女性のことを報告させるのに

気が引けたのかもしれない。

 

 

 

逢う頻度が減って、お互い別々の人と過ごしていて、

だからといって不思議と筒井君のことを

うとましいと思ったことはなかった。

10日に一回、逢える日にはとても嬉しかったし、

たしかに私たちの目論見通り、

お互いを新鮮に感じることが出来たし、

変わらず心から愛し大切に思ってた。

 

どうやらその時私は、

二人を同時に愛していたようだった。

自分でも驚いたし今でも上手く説明出来ないけれど。

 

 

 

そして冬が来て、

19歳のクリスマスを私はユースケ君と過ごしていた。

 

 

 

 

 

私は宅浪生。実家に色々深い問題があって、

家を出て一人で生計をたてて暮らしていたのだけれど、

その頃ふとまた更なる自我に目覚め始めていた。

 

「自活して大人になった気でいるけれど、

大学に受かったら大学に行くお金は結局、親なんだ。

それじゃなんにも自立したことにならない。

一円たりとももう親の世話にはならないと決めたんなら、

大学行くお金も自分で貯めてそれから行くべきだ。」

 

 

そのためには今のバイトでは暮らすのがやっと、

貯金なんて出来っこなかった。

 

 

大学へ行く為の貯金をするために

二~三年どこかに就職することにした。

バイトだと休んだ分だけ収入が減るし、

就職すれば給料は保証されてボーナスも出る。

大学は何歳からでも行けるんだし、

学費のために就職しよう!

 

就職活動をし始めて程なく

大手アパレル会社に合格した。

バイトよりは収入が良い、

それだけで仕事は何でもよかった。

 

そんな時ちょうど

ユースケ君の妹さんが勤めている

会社の話しを聞いた。

妹さんは私と同い年。

高卒で入社してすぐ

結構な良いボーナスも貰ってるらしい。

とある業界最大手で世界的に有名な上場企業。

当然その会社のほうが

随分収入が良さそうだったので、

途中採用の試験をダメ元で受けてみた。

 

 

試験会場には100名ほど、採用は五名。

結局、

そのダメ元の途中採用試験に受かって、

私はその会社に途中入社することになった。

 

 

 

 

 

入社してすぐ新入社員研修が始まり、

同期入社の二人の女友達が出来た。

 

ずっと親友は男友達ばかりだった私には

本当に腹を割って何でも話せる女友達は

初めてだった。

なぜかものすごく気があって、

どんな事も信用して話せた。

彼女らと色々話すうちに、

自分の今していることがとても罪深く、

重苦しく思えるようになってきた。

 

「二股掛けるなんて」

とキレイごとを言うつもりではないが、

ただ、

二人ともを遊びではなく

本気で愛してしまっていた事が

辛すぎて苦しくて。

 

この先の事を考えてみれば

ずっとこんな状態でいられる訳がない。

先になればなるほど苦しまなければならない。

 

決意するなら早いうちだと思った。

遅くなればなるほど誰にとっても傷は深くなる。

 

私は苦しい決断をした。

 

 

 

 

半年あまりの二股状態の末、

一月の終わり頃にユースケ君に手紙を書いた。

色々と事情をつらねて、

 

「好きだけれど、別れましょう」

 

という意味の手紙だった。身勝手な話しだ。

でもユースケ君はそんな私を許してくれた。

そういう人だった。

 

最後まで

ただ温かく私を包んでいてくれた人だった。

 

 

 

 

 

筒井君とは相変わらずだったけど、

逢うのが月三回だけになってからは、

そんなに喧嘩することもなくなり、

落ち着きを取り戻した感じだった。

表面上は。

 

二人とも心の不安定は

隠し持ったままだったけれど。

 

 

ボロボロになりながらも

二人の愛はやはり不死鳥のごとくだった。

ズタズタに傷ついて息絶えたかのように見えても

息を吹き返す不死鳥。

 

すぐあとに訪れる更なる試練なんて知るよしもなく。

 

 

そう。

断崖絶壁に転がり落ちる、

そこにギリギリで立っていたなんて

その時はまだ気付いて無かった。

 

 

 

次の瞬間、

私は軽く指で押され、

転がり落ちていくのだ…

 

 

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