ある恋愛日記カミングアウト【実話小説ラヂヲ】

【大人向きリアル恋愛日記小説】運命の恋・失恋・行きずりの恋・遊びのSEX・結婚・玉の輿・出会い系・モラハラ・離婚・妊娠・殺人・再婚・浮気・不倫・虐待・絶縁・同棲・二股・三角関係・遠距離恋愛etc…私の身に起った実話小説です。最低な話も多々ありますが何かのお役に立てれば幸いです。

第9話『失恋』

朗読でお聞きの方はこちらから。


youtu.be

 

 

19歳のG.Wから続いていた葛山君との生活。

 

彼の仕事の都合で一時は寮に帰ったりして

距離を置いたりしたこともあったものの、

またやっぱりお互いに一緒にいたくて戻る…

そんなふうに同棲生活が続いていた。

 

 

 

「一緒に住んじゃおうか。」

 

彼の口からそんな言葉が出て

始まったこの同棲生活。

 

19のお馬鹿なコムスメの耳には

 

<一緒に暮らす>=<結婚>

葛山君が私との結婚を考えている

そんな風に

聞こえてしまったのだった。

 

彼が私と結婚しようとしているのだと

そんな風に状況を混同してしまったものだから

19の私の頭の中はどんどん

<結婚>が膨らんで膨らんで、

暴走し始めていた。

 

 

 

 

この幸せな暮らしを続ける中で、

ハタチになったばかりの私は、

<結婚>に異常なまでの憧れを抱き始めていた。

<恋愛>と<同棲>と<結婚>

それらの違いを訳もわからずに、

とにかく葛山君との結婚を夢想してた。

 

 

ハタチの馬鹿女、

<結婚>という言葉の響きや

大人なイメージに漠然と憧れただけ・・・

 

 

今から思えば一緒にさえいられれば、

結婚を望む必要なんて何もなかったのに。

 

 

それに、当時ハタチの私からは

大人に見えた葛山君だけど、若干23歳。

まだまだ結婚を考える年齢ではないことも、

今なら解る。

 

けど当時の私にはそんなこと

何も見えなくなっていたし、

むしろ彼のほうから

一緒に暮らそうと言われた時点で、

彼から結婚を求められたんだという気になって

すっかり舞い上がっていたし。

 

 

 

 

 

 

 

不安定なメンヘラ女。

 

ただ、好きで好きで、たまらなくて、

好きになればなるほど、

彼も同じだけ愛してくれているかと

不安で不安で

しょうがなくなってきていた。

 

結婚が、

永遠に愛し合える約束なのだと思った。

思い込んでいた。

 

この舞い上がるウキウキな幸せな生活を

この先もずっと確定するのが

<結婚>なのだと。

 

幼稚な私の勘違いと思い込み。

 

ただ、

今のままずっと楽しく暮らし、

愛しあっていたかった、

本当はそれだけだったのに。

 

 

《若さ=バカさ、

私の場合ほんとそうでした。》

 

 

 

 

 

いきなり結婚をチラつかされて

一気に舞い上がった後、

なかなか結婚話が進まないことに

不安を感じ始めた私は、

いつしか事あるごとに葛山君に

結婚をせっつくようなことを言っては、

ヒスを起こしたり、

泣きすがったりすることが多くなっていった。

 

彼は「好きだ」と言ってくれているのに、

愛が見えないと泣いてばかりいる私・・・

愛想を尽かした葛山君は、とうとう、

「少し距離を置こう」

と、寮に帰ってしまった。

 

 

一旦別々に暮らして普通のカップルとして

楽しく付き合っていこう、

ということのはずだったのだけど、

離れたことで私の心が余計に乱れ、

ますます泣きすがってばかりに・・・

 

 

そして、当然の結果、

とうとう葛山君からの連絡が

ぷっつりと途絶えてしまった。

 

 

 

 

「来週は展示会とかで忙しいし逢えないけど、

再来週の水曜には逢えるから、電話するよ。」

 

そう書かれたある日の置き手紙。

 

その葛山君の言葉だけを信じて

次の水曜日まで待っていた私。

 

 

 

こんな泣いたりすがったりばかりの私じゃなく、

再来週の水曜日までにちゃんと笑顔に戻って、

そしてあの楽しい日々をやり直そう!

そう自分に言い聞かせて、

寂しさも我慢し、再会の日を待った。

 

 

 

《「愛を形でみせて!」だなんて

<結婚>を言わせたいだけのバカな台詞。》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

約束の水曜日。

 

前の夜から、水曜当日、

そして終日、木曜日の朝になるまで、

一睡もしないで彼からの電話を待ってた。

 

独りぼっちの部屋で・・・

 

 

携帯電話は無い時代です。

部屋から一歩も出ず、

電話機を抱きかかえて二晩を明かした。

 

 

 

 

 

涙が止まらなくて、

どうしようもなくグシャグシャになりながら、

いろんな事を考えながら・・・

死にたくなる程辛かった。

 

 

どんなに待っても、電話は鳴らなかった。

 

 

 

 

《死にたくなった。

でも死ねない。だって彼を待ってるんだもの。》

 

 

 

 

 

それから、

毎日鳴らない電話を待って

泣いているだけの日々だった。

毎日眠れずに過ごし、

だんだん頭がおかしくなっていくようだった。

 

 

悪い夢を見ているんじゃないかと何度も思った。

あんなに幸せに暮らしていたんだもの。

今日家に帰ったら、

きっと部屋には葛山君がいて、

すべてが元どうりで・・・そうに決まってる!

 

きっとこれは悪い夢なんだ。

 

 

そう毎日祈りながら帰宅して、

真っ暗な独りの部屋で泣いていた。

 

 

 

 

 

 

 

彼が出て行って、一ヵ月が経ち、

泣いて泣いて涙も枯れて・・・

 

 

私はすっかり壊れてしまっていた。

 

自棄・・・

 

 

完全にイカレた私は、

糸が切れたタコのように、

いや、思考回路がキレたロボットのように、

言い寄ってくる数人の男と次々に寝た。

 

誰にも何も感じなくなっていた。

 

 

ただ馬鹿なことをして

気を紛らしていたかった。

 

 

私をチヤホヤして求めてくる男たちを

手玉に取る事で、

みじめさや寂しさを忘れていたかった。

 

それだけ。

 

 

 

 

《今度は私が壊れて行く音が

聞こえた気がした・・・》

 

 

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どうしようもない

自堕落な行動を繰り返しているうちに、

不思議なことに、

いつしかほんのわずかだけれど、

気が紛れて、

心が軽くなっていくのを感じていた。

 

何もかもが馬鹿げて思えてきて、

なんかどうでもいいや・・・って

思えるようになって、

気分がふと軽くなって、

救われた気がした。

 

思い詰めていた愛の苦しみを

忘れていることができた気がした。

 

 

この時から私は

<愛>を信じなくなっていた。

 

<愛>なんて糞食らえだと

思うようになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

突然私の前から姿を消した葛山君。

そんなに別れたいなら、

私のほうから電話して、

「別れましょ」

ってケジメをつけてあげようか・・・

最後くらい良い女でいたいから。

とか、いろいろ考えた。

 

 

 

でも、こんなになったあとでさえ、

 

”やっぱり本当に何か事情があって

急に連絡出来なくなっただけで、

私を捨てた気なんてないのかもしれない”

 

なんていう期待が性懲りもなくよぎる。

 

 

 

いや、仮にそうだとしても、

私にこんなに辛い思いをさせた、

これだけ泣かせ、

こんな自暴自棄な女にまで

突き落としたその仕返しに、

「もう別れる」

とキッパリ私から言ってやろう!

・・・とか、

それはそれは色々考えた。

 

 

 

 

《こんなになっても、

まだどこかで信じてる、みじめな女です。》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然の音信不通から

二ヶ月が経った頃には、

それもこれも、

何もかももう、

どうでもよくなってきていた。

 

 

心がマヒ状態で、

悲しみもなんだか

良く分からなくなっていた。

 

 

何もかもが遠い昔の夢だったみたいに

思えてきた。

 

今の荒んで乱れた自分が、

あの頃の自分とはあまりにも

かけ離れてしまってたから、

幸せだったあの頃は全てただの夢、

現実なんかじゃなかったんだ・・・

 

 

 

 

愛も忘れ、辛さも忘れ、

自分自身も見失い、

なんとなく笑えるようになりかけていた

そんな頃だった。

 

突然、葛山君が帰ってきた。

 

汚れきった私の前に。

 

 

 

 

 

 

もう忘れてしまおうとしていたし、

万が一再会しても、

私から別れを言うつもりでいた。

それなのに、

いざ彼の姿を目の前にすると

笑っちゃうくらい弱い。

 

どうしていいか

分からなくなってしまっていた。

 

 

 

動揺の極みだった。

 

葛山君の心はもちろん、

自分の心も分からない。

 

恨んでいるのか、

愛しているのか、

もう忘れたのか、

まだやり直したいのか、

何がなんだか分からず・・・

 

 

 

 

 

葛山君は、

「別れたくない」

と口走りながら、私を抱いた。

 

 

 

《「別れたくない」

この一言で

全てを帳消しにしてしまいたくなる、

それが女の弱さ・・・》

 

 

 

 

 

彼と再び抱きあえたことで、

愛しあえた気がしたけれど、

やっぱりそれは幻でしかなかった。

 

 

 

彼は彼なりにいろいろあったようで、

とてもすべてに疲れ切っていた。

だから私の元に駆け込んで

来ただけもかもしれない。

私が愛してやまなかった

彼の輝きはそこにはなかった。

純粋だった私の心も身体も荒みきってた。

 

 

 

結局そのあと一、二度逢って、

それきりになった。

特に別れ話もしていないまま、

二人の糸はプツリと切れた。

 

けれど、

今度はそれをまっすぐに

嘆くことなく受け止めることができた。

もう以前の私とは

変わってしまっていたから。

 

 

 

 

生まれて初めての<失恋>だった。

 

 

 

リクは地獄への一歩を踏み出していた。

 

 

 

 

《自分をフった男にだけは

「後悔させてやる!」って思うよね。

後悔させる為に再会したい男は誰ですか?》

 

 

 

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